製品概要
D-RPA 3000はエラストマー及びゴムコンパウンドの加硫前/中/後の粘弾性を測定するように設計された、動的なゴムプロセス分析装置です。高速のデータ取り込みDAQ、ダイギャップ、ダイフォースのプログラム制御、エアー冷却、オシレーション角度の自在設定、0.001Hzから100Hzまでの周波数測定が可能。
測定結果により「加工性」「加硫特性」「加硫速度」「加硫後のコンパウンドの特性」などの正確な情報を知ることが出来ます。一台でフルレンジのレオメーター項目を試験できるように設計されているので、ポリマーまたは原材料、加硫コンパウンドの基礎物性、最終物性の評価も可能です。さらに材料の加工性の評価もいたします。
また、分析ソフトウエア「モンコントロール」と組み合わせることでユーザーの仕様に合わせたプログラム・任意の試験シーケンスを柔軟に構成し、「等温試験」「非等温試験」「角速度依存性」「周波数依存性」「温度依存性」「せん断速度依存性」「応力緩和」「遅延」「ヒステリシス」「引張」などの単独の特性、コンビネーション特性をプログラムする事が可能です。
さらに、2チャンネルの圧縮エアーを使用した冷却機構が標準装備され、上側ダイ・下側ダイを独立したエアーで冷却します。それによりサンプル温度の高速制御が可能になり、通常エアーまたは事前冷却された圧縮エアー等選択して使用できます。
本体は堅牢に設計されているため研究室だけでなく、工場に直接設置して品質管理のお役に立ちます。
製品紹介ビデオ
主な特徴
マイナス40℃液体冷却チラー(オプション)
サンプルの温度を-40℃までのガラス転移点以下に下げることにより材料の動的機械特性を評価するのに理想的なシステムとなります。
この冷却装置は通常のエアー冷却装置に追加して使用します。試験温度が室温以下になった場合にチラー装置が起動します。ダイの加熱システムに変更はありませんので、一般の大回転式レオメーターと全く同じデータを収集可能です。
このチラーシステムはMontech特許技術を使用しています。
自社開発のクローズ・ループデジタルドライブ(特許取得)
モーターを下側ダイに直接装備することによりクラッチやドライブシャフト・接続カプラーが不要で、回転部の重量を低減することにより優れた動的性能が得られます。それ以外にモーター始動の遅れやバックラッシュがなく、振幅を正確に繰り返すため高精度のレオロジー測定を可能にします。
キャビティ圧力制御システム(特許取得)
ダイ密閉時の荷重と上下ダイのギャップを個別に変化させることができ、ダイ内の圧力を高精度に制御。加硫から加硫後の動的測定までを連続して高精度に行うことが可能です。
また、ダイを密閉した状態のまま温度変化により収縮するサンプルに一定の制御した圧力を与えることでダイとサンプル間の滑りをなくすことができます。
その他
◎測定コストの低減。
◎バッチリリースの短納期化。(品質管理データ、加硫状態、加硫特性などを一試験で評価可能)
◎不良品・歩留まりの改善。
◎加工プロセスの効率向上。
◎開発サイクルの短納期化・単純化。
◎分析ソフトウエアは直感的でシンプルな操作性なので経験値は必要ありません。
◎事前のサンプル加工が不要。
装置構成
◎レオメーター本体
◎解析ソフトウエア「モンコントロール」内蔵コンピュータ
◎ワイドスクリーンモニタ
◎キーボード
◎マウス
◎プリンター
装置概要
テストチャンバーは圧縮空気による開閉システムが装備され、上側チャンバーを下側チャンバーに対して開閉します。
上下チャンバーが閉じるとバイコニカルの試験構成となります。バイコニカルダイを使用することによりサンプルのダイ中心からの位置にかかわらず同じせん断速度を与えることが可能です。
上側ダイを閉じるフォースは0.45MPa以上のエアーを供給する環境で11.6kN です。このフォースにより上側ダイは完全に閉じられ、試験中・加硫中も閉じた状態を維持します。
テストチャンバーはいつでも開けることが可能です。
ユーザーを保護するため、テストチャンバーを閉じる前に装置前面の安全シールドが降ります。試験と試験の間にチャンバーを手動で閉じる場合はスタンバイモードで行います。
試験チャンバーが開いてから、安全シールドが開くまでの遅延時間はソフトウエアで設定します。レオメーター背面には試験中に発生したガスを排気するためのサクションポートが装備されています。
上下ダイの電気ヒーターによる温度制御はソフトウエア「モンコントロール」で行います。上下独立した温度制御となります。温度計測はPT100で行い、加熱はスパイラル巻の加熱フィルムで行います。これらはダイ内のすべての部分での温度一定性を保証するために採用しています。上下チャンバーは独立した圧縮空気による冷却回路も装備し、PID制御されます。冷却システムは試験設定で自在にプログラム可能です。例えば、試験中に冷却することによりサンプルからの放熱抵抗を試験できます。
サンプルであるゴム混合物は下側チャンバーから与えられるサイン波のひねりにさらされます。D-RPA 3000は振幅を0.0001°から360°の範囲で、周波数を0.001Hzから100Hzの範囲で任意に設定可能です。
ひねり動作は独自設計のセラミックベアリング、精密組立の高精度トルクモーターを使用します。モーターは下側ダイシャフトに直接搭載されます。モーターはソフトウエアと負荷防止機能付きの高分解能のモーターコントローラで動作を制御されます。
下側ダイの動作に対する反応トルクは上側ダイに装備される高分解能のストレインゲージで測定されます。このトランスデューサは試験チャンバー内の圧力も測定します。
試験の制御、データ収集は解析ソフトウエア「モンコントロール」をインストールしたコンピュータで行います。測定データの保存、解析にはSQL形式のデータベースを使用します。試験ごとに材料の粘弾性に基づく1,500以上の時間、トルク特性の測定結果で評価、解析が可能です。
試験一覧
様々な材料評価に対応するため、幅広い試験方法・試験パラメーター・計算・評価オプションをご用意。
▶測定結果
▶同定可能な項目
・動的貯蔵せん断弾性率 G’ 、 動的損失せん断弾性率G’’
・複素弾性率 G*
・トルク S’ 、S’
・複素トルク S*
・動粘度 n‘
・みかけの動粘度 n‘‘
・複素動粘度 n*
・損失角度 d
・損失正接Tangent-delta
・圧力 (オプション)
・伸長/圧縮下のモジュラス E*, E’, E’’
・伸長/圧縮コンプライアンス D*, D’, D’’
・バネレート Ks, Kc, Kp
・ダンピング係数 C
弾性トルク
正弦波で与えられたストレインと同位相の振幅トルクの最大値。
粘性トルク
正弦波で与えられたストレインと90°位相差のある振幅トルクの最大値。
複素トルク
正弦波で与えられたストレインに対する振幅トルクの測定値。
損失正接
貯蔵弾性率と損失弾性率の比率。
加硫速度
弾性トルクS‘の第一微分
圧力
試験中にダイで測定された軸の回転負荷。
貯蔵弾性率
正弦波で付加されたストレインと同位相の角速度せん断応力の最大値と角速度せん断ストレイン最大値の比率のトルク成分。
損失弾性率
正弦波で付加されたストレインと90 °位相差のある角速度せん断応力の最大値と角速度せん断ストレイン最大値の比率のトルク成分。
複素せん断モジュラス
振幅せん断応力の最大値と振幅せん断ひずみの最大値の比率T。
正弦波の付加ストレインに対する混合トルク (S*) の位相差角。
損失弾性率G‘とオシレーション周波数の比率。単位:rad/s
貯蔵弾性率 G‘‘とオシレーション周波数の比率。単位:rad/s
複素弾性率 G*とオシレーション周波数の比率。単位:rad/s
周波数の関数としてのオシレーション
一定振幅でのモジュレーション
定常せん断を中間にいれたモジュレーション
その他の測定
・コンプライアンス
・伸長/圧縮下のモジュラス E*, E’, E’’
・伸長/圧縮コンプライアンス D*, D’, D’
オプション
◎圧力測定オプション
トルクとフォースを同時計測できるトランスデューサを使用し、トルクの他に試験チャンバーの圧力も測定。各試験前には、トランスデューサ及びアンプは自動校正されます。このシステムにはセカンド・アンプ・システムが含まれ、リアルタイムでトルクと法線応力を測定します。
◎圧力制御
キャビティ圧力を事前の設定値またはオンラインの計算された圧力レベルに制御できます。そのため試験チャンバーの閉じフォース、ダイギャップを独立した変数として管理し、キャビティ圧力を制御することによりその依存性を測定できます。
このオプションは材料の収縮への対応、試験チャンバー内のスリップに対応できるため、加硫、冷却を伴う動的機械特性の試験で有効です。
この試験はMontech社の特許試験方法です。
◎高速データ取り込みシステム
高速DAQは測定値の分解能取り込みとトルク、モーターポジション信号の高精度制御ができます。
両チャンネルとも24bit・180KHzで同時に取り込み、制御を行います。すべてのデータはPCに取り込まれ、リアルタイムカーネル部でオンライン計算処理されます。生データストリームをRAMに保存することも可能で、フーリエ変換レオロジーの計算などに最適です。
◎MCool 10 チルド・エアー式冷却チラー
Montech特許の技術により、支給される0.4MPa以上の圧縮空気を冷却して温度制御に使用します。この技術では試験チャンバー温度を+8℃まで冷却することが可能です。室温以下の試験の場合、柔らかいゴム、ポリマー、シリコンを試験する場合などに最適です。
◎MCool -40 液体冷却チラー
この冷却システムを使用するとサンプルの温度を-40℃までのガラス転移点以下に下げることにより材料の動的機械特性を評価するのに理想的なシステムとなります。
この冷却装置は通常のエアー冷却装置に追加して使用します。試験温度が室温以下になった場合にチラー装置が起動します。ダイの加熱システムに変更はありませんので、一般の大回転式レオメーターと全く同じデータを収集可能です。
このチラーシステムはMontech特許技術を使用しています。
ソフトウェア
▶解析ソフトウエア「モンコントロール」
モンコントロールは試験を「構成→設定→実行」するための解析ソフトウエアです。試験サンプルを挿入した後はオペレーターの操作は不要で、すべて自動で試験します。
D-RPA 3000との組み合わせで様々な試験パラメーターを使用し、サンプル物性を幅広く評価することが可能です。
▶自由に設定可能な試験パラメーター。
・温度
・オシレーション周波数
・オシレーション振幅
・時間
・サンプリング・レート
・測定サイクル数
・圧力 (オプション)
・ダイギャップ (オプション)
▶D-RPA 3000との組み合わせで可能な試験。
■振幅依存性
一定の周波数、温度の元で振幅を変化させる試験です。
■周波数依存性
一定の振幅、温度の元でオシレーション周波数を変化させる試験です。
■温度依存性
試験中にせん断速度を変化させます。異なる遅延サイクルを順に試験してせん断速度依存性を試験します。
■せん断速度依存性
試験中にせん断速度を変化させます。異なる遅延サイクルを順に試験してせん断速度依存性を試験します。
■応力緩和
ストレインを付加した後の応力緩和を測定します。安定した物理システムは外部からの刺激に対して基底状態に緩和します。緩和時間はこの緩和プロセスでの時間定数です。緩和のI f(t) 値が次式o: f(t) = exp( - t / t) * f(t = 0) に当てはまれば t を緩和時間とします。
■遅延クリープ
一定負荷に対する材料のクリープ特性。材料は与えられた負荷に対して粘弾性的な時間依存の弾性変形と同時に塑性変形します。塑性状態への転換時、応力は材料中に一定で含まれます。フォース、時間グラフでe関数を計算可能です。応力が大きすぎる場合は、材料が時間に依存して破壊されます。
■ヒステリシス
ひとつの一定のせん断因子による影響を与えている時間に依存した、粘度への影響試験。ひとつの一定のせん断因子による影響を与えている時間を増やすとせん断フォースのヒステリシス効果は増加し、不可逆となります。
■引張試験
材料の基礎試験。初期長さに対する材料破壊時までの長さの変化を試験します。
■その他、ご要望に合わせてカスタム化も可能です。
仕 様
オシレーション振幅角度 | ±0.001° 〜 360° |
オシレーション周波数 | 0.001Hz 〜 100Hz |
トルク範囲 | 0.0001 〜 250dNm |
準拠標準 | ISO 13145 |
ISO 6502 | |
ASTM D 5289 | |
ASTM D 6204 | |
ASTM D 6601 | |
ASTM D 6048 | |
ASTM D 7050 | |
ASTM D 7605 | |
ASTM D 8059 | |
DIN 53529 | |
ダイ構成 | ダブルコーン密閉式(バイコニカル) |
ドライブシステム | Advanced wearless servo drive system with ceramic bearings |
温度制御 | 室温 〜 最高232 °C |
測定項目 | トルク(dNm・lbf.in・kgf.cm) |
せん断モジュラス | |
温度 | |
圧力 | |
時間 | |
周波数 | |
せん断速度 | |
ひずみ(deg・%) | |
加硫速度 | |
取得データ | S’ |
S’’ | |
S* | |
G’ | |
G’’ | |
G* | |
tan δ | |
phase angle | |
cure speed | |
η’ | |
η’’ | |
η* | |
インターフェイス | Ethernet(10/100 MBit) |
USB (int.) | |
CFカード(int.) | |
RS232(オプション) | |
電源仕様 | 単相:200V - 240V 定格:6A 50/60Hz |
本体サイズ(mm) | W:680 × D:600 × H:1520 |
重 量 | 180kg |
オプション | オートサンプラー |
ダイ内圧測定用トランスデューサ | |
ダイ内制御オプション(キャビティプレッシャーコントロール) | |
冷却オプション MCool 10(10℃までの冷却) | |
冷却オプション MCool-40(-40℃までの冷却) |
オートサンプラー種類 | サンプル数 | D-RPA 3000 |
リニア式 | 5 | ◯ |
10 | ◯ | |
回転トレイ式 | 24 | ◯ |
48 | ◯ | |
100 | ◯ | |
トレイチェンジャー式 | 10×24 | ◯ |
10×48 | ◯ |